【2023年度日本基礎心理学会第1回フォーラムのご案内】
→イベントは終了いたしました
心的過程を測るための新しい着眼点・方法論
2023年度第1回フォーラムを、下記の通り開催いたします。
参加申込方法については後日あらためてお知らせします。
- 【日時】
- 2023年6月10日(土)13:00〜16:00
- 【会場】
- 専修大学神田キャンパス10号館6階10061教室
およびZoomによるハイブリッド形式
- 【テーマ】
- 心的過程を測るための新しい着眼点・方法論
- 【企画】
- 岡田 隆(上智大学)・綾部 早穂(筑波大学)
- 【講演者】
- 武田 裕司(産業技術総合研究所)
「聴覚誘発電位で視覚情報処理への注意資源配分量を計測する」
木村 健太(産業技術総合研究所)
「内受容感覚を対象とした研究の方法論と今後の展望」
白井 述(立教大学)
「視覚発達研究の新しい形 ーリモートオンデマンド実験の試みー」
- 【趣旨】
- 実験心理学の領域では、人の心的な情報処理過程にアプローチするための様々な方法が見出されてきました。今回のフォーラムでは、3人の講師の先生方に「新しい方法論」という観点からご講演をお願いしました。
- 【講演概要】
1.武田 裕司先生(産業技術総合研究所 ヒューマンモビリティ研究センター)
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講演題目:聴覚誘発電位で視覚情報処理への注意資源配分量を計測する
講演概要:視覚情報処理にどの程度の注意資源を配分しているのかを客観的に評価することは、ヒトの情報処理メカニズムを理解する上で重要であり、製品開発などの応用場面にも有用である。そこで、我々は課題非関連プローブ法による評価指標の開発を行なってきた。この方法では、視覚課題とは無関係な聴覚刺激を提示し、参加者には聴覚刺激を無視するように教示する。視覚課題に対して多くの注意資源を配分していると聴覚刺激に配分可能な注意資源が減少し、その結果として聴覚誘発電位(脳波)の振幅が減少する。本講演では、課題非関連プローブ法の詳細について紹介する。
- 2.木村 健太先生(産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門)
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講演題目:内受容感覚を対象とした研究の方法論と今後の展望
講演概要:内臓器官をはじめとする身体内部の状態に関する感覚は内受容感覚と呼ばれ、近年、生理心理学や神経科学といった領域で活発に研究が進められている。内受容感覚の研究では、質問紙を用いた主観指標、身体状態の知覚に関わる実験課題を用いた行動指標、脳波や脳活動を用いた生理指標が用いられる。しかし、これらの指標間の関連性は明らかではなく、各指標が内受容感覚のどのような側面を反映しているかにも議論がある。本発表では、内受容感覚を対象とする研究の方法論を概説するとともに、その課題と今後の展望について考察する。
- 3.白井 述先生(立教大学 現代心理学部)
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講演題目:視覚発達研究の新しい形 ーリモートオンデマンド実験の試みー
講演概要:新型コロナウィルス感染症の世界的蔓延によって、実験室での心理学実験の実施に大きな制約が生じたこと、そうした状況を背景に、様々な非対面型・遠隔型の実験手法が洗練されていったことは記憶に新しい。今回は、報告者らが開発した、乳幼児の視覚発達実験に特化した遠隔実験手法を紹介する。そうした手法がコロナ禍における対面実験の代替手段に留まることなく、アフター・ポストコロナ以降の世界でどのような役割や意義を持ちうるのか、その展望を示したい。
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