【平成30年度第2回フォーラムのご案内】
学習と食と感情と
2018年度第2回フォーラムを、下記の通り開催いたします。お誘いあわせの上、ふるってご参加ください。
- 【日時】
- 2019年2月23日(土)14:00〜17:00
- 【場所】
- 西宮市大学交流センター 講義室1
(阪急電車西宮北口駅より北東へ徒歩2分)
https://www.nishi.or.jp/access/sonotashisetsu/daigakukoryu/daigakukoryu-gaiyo.html
- 【企画】
- 中島 定彦(関西学院大学)・片山 順一(関西学院大学)
- 【司会】
- 片山 順一(関西学院大学)
- 【趣旨】
- 「学習、食、感情」をキーワードにフォーラムを、という依頼を受けました。最初は戸惑いましたが、三題噺のつもりで話し合ってみると存外あっさりと話題提供をお願いしたい人が決まり、これまた幸いなことに皆さんにご快諾いただきました。タイトルも三題噺っぽく「学習と食と感情と」のままとしました。ネズミが粘土を食べる話に始まり、薬理効果の条件づけの可能性、そして食における嗅覚の役割と続きます。これらがどのようにまとまり、どのような落ちがつくのか、企画者としても興味津々です。
今回は関西学院大学のキャンパスよりも交通の便の良い会場を確保することができました。三題噺がどのような首尾に仕上がるのか、ぜひご自身の目で(耳で?)お確かめください。多数の皆様のご来場をお待ちしています。
- 【講演概要】
- 中島 定彦(関西学院大学)
「ネズミの悪心を土喰いで測る」
何を食べるかでその人の性格や感情を推測できる。例えば、寿司屋で特上寿司を注文する人は、(1)金持ちか、(2)美食家か、(3)見栄っ張りか、(4)慶事があったか、(5)臨時収入があったか、などであり、これらの逆ではないだろう。上例の(1)〜(3)はその人の特性(trait)であり、(4)(5)はその人の状態(state)である。本講演では、ラットの悪心(吐気)という状態を測る指標として粘土食に焦点を当てる。気分が悪い人が薬を飲むように、催吐処置を施したラットは粘土を食べることが多くの研究から知られている。これを利用して粘土食の程度から悪心状態を推測する試みを、ラットの味覚嫌悪学習に適用した実験について紹介する。
- 福田 実奈(同志社大学))
「嗜好品がもたらす効果における古典的条件づけの役割」
人はコーヒーの香りを嗅いだだけで集中力が高まるのだろうか?ノンアルコールビールを飲んだだけで酔ってしまうのだろうか? 我々はカフェインやアルコール等の薬物を、コーヒーやアルコール飲料といった嗜好品を通して摂取している。本発表では、そのような嗜好品の摂取によって、古典的条件づけが形成されている可能性に着目し、カフェインレスコーヒーやノンアルコールビールの摂取により、カフェインやアルコールの摂取時と同方向の効果が生じた研究例を紹介する。
- 和田 有史(立命館大学)
「食における多感覚知覚」
食は感覚の坩堝だ。味・嗅・触・視・聴の五感すべてに加え、内臓感覚も食品の味わいの形成に関与する。この講演では我々の研究グループが行ってきた五感による食認知の研究を中心に食における多感覚知覚の概要を紹介する。特に味嗅覚相互作用研究の主たるトピックの一つである前・後鼻腔経路(鼻孔・鼻咽腔から匂い分子が嗅粘膜に存在する嗅覚受容体に到達する経路)からの嗅覚刺激が食体験に及ぼすといわれる差異が、咀嚼等による匂い分子の質や量の違いや成分変化だけではなく、呼吸運動との相互作用が関与する可能性について議論する。
- 【指定討論】
- 大竹 恵子(関西学院大学)
- ※敬称略
- 【参加資格等】
- 参加費無料・参加申込不要。
どなたでも聴講できます。
*18:00より懇親会も予定されております。
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