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【日本基礎心理学会2005年度第2回フォーラム】
「顔を見る・顔を思う・顔をつくる:顔知覚研究の行方」
2005年度第2回日本基礎心理学会フォーラムが京都大学文学部にて 開催されました.最新の研究成果の発表に触発され, 「視線知覚と空間認識の関係は?」「既知顔から受ける”暖かさ”とは?」 「人造顔の人らしさとは?」「アンドロイドと人の識別はどこまで可能か?」等々,
予定の時間を大幅に超えて活発な討論が続きました.また,関西地区だけ でなく,東北から九州まで,遠方の会員の方々にもご参加いただき, 盛会のうちに修了できましたことをお礼申し上げます.(参加者数:60名)
【日時】
2006年3月4日(土)14:00〜17:15
【場所】
京都大学文学部新第3講義室
http://www.kupsy.kyoto-u.ac.jp/jpn/map2/top.htm
【講演概要】
蒲池みゆき(株式会社ATR人間情報科学研究所)
「視線の知覚・制御を理解する」

本研究は人間の視線知覚と視線制御の相互関係を理解し,ヒューマノイドロボットやCGでの視線表現の基盤となることを目指している.人間が他者の視線を知覚する際に影響する主要因を調べるため,知覚実験を行った.また,視線を作り出す眼球の回転軸・回転角度など機能的構造をMRIにより調べた.結果のCG表現への適用と視線知覚のずれ補正の定量化評価,さらに,視線追跡時の頭部,眼球部の運動計測実験なども紹介する.
平岡斉士(京都大学大学院教育学研究科)
「既知顔と未知顔の記憶表象」

見知らぬ顔でも何度も知覚することでしだいに馴染みの顔と感じられるようになるが,その過程で記憶表象がどのような変化をするのかはまだよくわかっていない.しかし,単純な情報量の差異だけではなく,質的な差異が存在すると予測はできる.既知顔と未知顔の記憶表象の質的な差異の存在を確認し,その差異の特性について検討する.
瀬山淳一郎(東京大学文学部)
「人造顔の知覚」

生身の人間の顔を見ても、人形などの人工的な顔を見ても、我々は「人 の顔」だと感じるが、これらを混同することは滅多にない。おそらく、 リアルな顔とリアルでない顔の区別を可能にするカラクリが我々の視覚 系には備わっていると考えられる。このような知覚・認知メカニズムの 心理学的研究の可能性を検討したい。
港 隆史(大阪大学大学院工学研究科)
「アンドロイドの顔における人間らしさ」

我々は,人間に酷似したアンドロイドと人間の自然なコミュニケーションの実現を通して,自然なコミュニケーションをもたらす要素を明らかにすることを目的とした研究を行っている.本講演では,アンドロイドから分かる顔知覚に関する知見として,人間がアンドロイドの顔を見るときの視線行動に関する実験等を紹介する.さらに造形や構造の点からみたアンドロイド顔の人間らしさについて紹介する.
【指定討論】
櫻井 研三 (東北学院大学教養学部)
村井 俊哉 (京都大学大学院医学研究科)
【企画】
吉川左紀子 (京都大学大学院教育学研究科)
蘆田 宏   (京都大学大学院文学研究科)
【共催】
21世紀COE京都大学心理学連合
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