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【日本基礎心理学会2010年度第2回フォーラム】

「音楽の人間科学」

2010年度第2回フォーラムを下記の通り開催いたします。本フォーラムは,公開(入場無料・参加申込不要)です。お誘いあわせの上,ふるってご参加ください。
【日時】
2011年1月28日(金)16:30〜18:30
 
【場所】
九州大学大橋キャンパス 5号館1階511教室 (西鉄天神牟田線大橋駅から徒歩5分)
 
【企画】
中島祥好(九州大学大学院・芸術工学研究院/応用知覚研究センター)
 
【話題提供者】
佐々木隆之(宮城学院女子大学・学芸学部)
佐藤正之(三重大学大学院・医学系研究科)
浅野雅子(九州大学大学院・芸術工学府/西九州大学・リハビリテーション学部)
 
【指定討論者】
上田和夫(九州大学大学院・芸術工学研究院/応用知覚研究センター)
 
【企画の趣旨】

 音楽は音響信号や楽譜と結びついており,ある程度まで客観的に分析することができるし,その一部を切りとって心理学,脳科学などの実験材料にすることもできる。また,医療現場や人の集まるところに音楽を持ちこんでその与える影響を観察することもできる。すなわち,音楽は人間の心の中を覗いてみたいときに絶好の道具となりうる。作曲家や演奏家が工夫を重ねて作りあげた音楽は,人間の聴覚の仕組みを最大限に使っており,心理実験によってその仕組みを分析するだけでも,人間がさまざまな事象をどのように把握するかについて貴重な情報が得られる。その一端を,佐々木隆之氏の話題提供から汲みとっていただきたい。音楽に用いられる音響信号は,時間と周波数の座標において構造がはっきりしているため,それを聴取する際にどのような脳活動が生ずるかを観測し,病理学的なデータと組みあわせることによって,脳の動的な仕組みを捉えることができる。さらに,脳をよりよく活用して生活の質を高めることにもつながるような知見が得られる。このことは佐藤正之氏の話題提供によって示される。このような音楽の力は医療現場においても注目されており,わが国においても音楽療法の実践がなされるようになっている。しかし,その効果を科学的に検討することが充分になされているとは言えず,最悪の場合思いこみの押しつけということにもなりかねない。基本を踏まえた実験を重ねることによって人間行動の仕組みにまで考察を進めることの必要であることが,浅野雅子氏の話題提供の根幹となるメッセージである。

 音楽を用いて人間の心の働きを実証的に理解することを目指し,異分野間の協力の可能性を探る。

(当フォーラムは九州大学応用知覚研究センターとの共催です)

 
【講演】
佐々木隆之(宮城学院女子大学・学芸学部)
「音楽と聴覚の知覚的体制化」
 聴覚系は,耳に入ってくる音を適切に音源に対応させるためにさまざまな知覚的体制化のメカニズムをもっており,音やその成分を分離したり結びつけたりしている。音楽作品の中には,そのような聴覚系の働きを利用しているものがあり,面白い効果を上げている。また,音楽を利用して聴覚系の働きを明らかにしようとする研究も行われている。本講演では,そのような作品や演奏の例を聴きながら,そこに関わる知覚的体制化のメカニズムを紹介する。

佐藤正之(三重大学大学院・医学系研究科)
「音楽の脳内過程についての神経心理学的検討」
 音楽認知の脳内過程の研究は,ブローカによる最初の失語症例が報告された19世紀半ばにまで遡る。長らく症候の把握と剖検による病巣の同定が唯一の研究方法であったが,1970年代のCT,90年代のMRIの開発により,病変部位の同定能力は飛躍的に高まった。さらに80年代のPET,90年代の機能的MRI,2000年代のMEGなどの機能画像の発展により,脳機能研究は新たな局面を迎えている。本講演では音楽の脳内過程について,医学なかでも神経心理学的研究を中心に,自験例を交えて解説する。

浅野雅子(九州大学大学院・芸術工学府/西九州大学・リハビリテーション学部)
「統合失調症者に対する根拠に基づいた音楽療法」
 音楽療法とは音楽の持つ生理的,心理的,社会的働きを用いて,対象者の心身の諸問題を改善させる療法である。我が国では音楽教育や精神科領域,介護などの現場で実践が行われているが一般的に馴染みが薄く,また,その効果についてエビデンスが示されているものは数が少ないのが実情である。本発表ではこの問題を検討し,我々が行った精神科領域におけるエビデンスに基づいた音楽療法を中心に紹介する。

 
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